老舗旅館もAI(人工知能)を導入する時代に!
AI(人工知能)が旅行業界にも着々と浸透してきています。
ついに伝統的な老舗日本旅館でのAI活用が始まりました。導入したのは箱根で人気の3旅館です。その中で舵を取るのは次の時代を担う後継者たちです。
活用するのは自社ホームページのFAQ(よくある質問)、つまり顧客対応の部分です。ここに、利用者からの質問の予測や回答の検索を最適に実行するAI機能と、サイト訪問者がFAQで疑問を解決できるように導くWebセルフサービス機能などを含むクラウドサービス(オラクル社の「オラクル・サービス・クラウド」)を導入しました。
人の気配り・心遣いが要である旅館のおもてなしは、AIの導入でどう変わるのか。日本旅館が抱える諸課題を解決する一助となるのか。導入した3旅館の中のうちの1つの旅館の取り組みを見てみます。
創業63年、箱根湯本の「ホテルおかだ」は、バブル期の団体旅行で成長した大型温泉旅館です。一時は団体客が6~7割を占めていましたが、個人化とオンライン化の流れを受け、現在は4割弱に縮小しています。
5本の自家源泉を活かした13の温泉など多様な設備を有し、家族旅行な個人客をはじめ、様々な宿泊客を受け入れています。
そんなホテルおかだが自社サイトのFAQにAIを導入したのは、昨年5月です。前職がNECのエンジニアだった取締役営業部長が、
「FAQの表示を工夫すれば、SEO効果で自社サイトへの集客を増やせる」
「FAQで自己解決を促進できれば、入電件数を減らせる」
と、集客と効率化を期待して決定しました。
その結果、自社サイト予約が以前よりも10~15%増加。運用開始から約5か月の短期間で早速、効果を実感しているそうです。
工夫したのは、サイト訪問者に対して「こんなことでお困りではございませんか?」と、FAQを自動的に表示するようにしたことです。
同一ページで日本語サイトでは30秒間、英語サイトでは15秒間、滞留した場合に、そのページに関連する質問項目を先回りして表示します。「そこに滞留しているということは、その内容で気になることがあるのでは」との考えに基づくものであり、サイト訪問者に対する配慮ともいえますよね。
さらに「そもそも当館に宿泊したことがなければ、質問すら思い浮かばないと思う。
しかし、宿泊したお客様が事前に知っておきたかったという情報は、お客様アンケートなどを通して我々が持っています。その内容を適所にプッシュ的に出せば、訪問者が意識できていなかった疑問を消化でき、安心して予約していただける」とのことです。
ホテルおかだでは、サイト閲覧の約4割が電話予約対応時間外であることが分かってました。取締役営業部長は「明確なデータはないが、今まではお客様を取り逃がしていたかもしれない.AIの導入でお客様の疑問に先回りしてアプローチでき、不安を解消できたから予約が増えたのだと思う」と、手ごたえを語っています。
今後、「FAQはデータベース」として、館内サービスでの活用も考えているそうです。具体的には、宿泊客のスマホや客室のテレビに、その時間帯にあわせた質問と回答を表示します。例えば、チェックイン直後には「Wi-Fiの使い方」や「すぐ行ける観光地案内」などです。「『館内コンシェルジュ』として活用ができれば、お客様に喜んでいただける」と見込んでいます。
実際にホームページを見てみたのですが、各ページでのFAQがとても的確で、これにより不安の解消について大きく貢献すると思います。このように、老舗旅館でもAIを導入する時代に突入しました。次々と事例が出てきていますので、世界が変わってきているな。と実感する機会も増えてきているのではないでしょうか?
どのようにAIを活用していくか。これからも注目していきたいですね。
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